動物の病院 くすめ

診療対象動物:いぬ・ねこ・うさぎ・ハムスター・フェレット・鳥

「 ブログ 」 一覧

ノミアレルギー性皮膚炎

1. ノミアレルギー性皮膚炎とは

ノミアレルギー性皮膚炎は、犬や猫がノミの唾液に対してアレルギー反応を起こし、激しいかゆみや炎症を引き起こす疾患です。また傷口から2次感染の恐れもあります。                                なんだか最近からだ掻くな・・・と思われたら早めの通院をお勧めします。

※アレルギーとは体が外からきた異物に対して防衛反応(免疫作用)が過剰に反応したものです。

  • 症状:

    • かゆみ、ひっかき傷
    • 赤みや発疹、脱毛
    • 膿が出る湿疹、皮膚の硬化
    • 尻尾の付け根、腰背部に特に症状が現れることが多い


2. ノミアレルギー性皮膚炎の治療方法

1. ノミの駆除:

  • 投薬: ノミ駆除薬(スポットオンタイプや経口薬)を使用し、ペットの体に付いているノミを速やかに駆除します。定期的に駆除薬を使用することで、ノミの再発を防ぎます。
  • 環境のノミ対策: 家や庭の清掃、特にペットの寝具やカーペットはノミが生息しやすいため、掃除機や洗濯を徹底します。必要に応じてノミ駆除用スプレーやミストを使います。

2. かゆみや炎症の緩和:

  • ステロイドや抗ヒスタミン剤: かゆみや炎症を抑えるために投与されることが多いです。
  • 抗生物質: 感染が進行した場合、抗生物質の投与が必要になることがあります。
  • 保湿クリームやシャンプー: 保湿成分の入った皮膚に優しいシャンプーやクリームで、皮膚を保護し、炎症を軽減します。

3. アレルギー治療:

  • アレルゲン除去: ノミのアレルゲンに直接触れる機会を減らすため、ペットの生活環境を整え、継続的なノミ予防が不可欠です。

3. ノミアレルギー性皮膚炎の予防方法

1. 定期的なノミ予防薬の使用:

  • ノミの駆除薬はペットに毎月または季節ごとに使用し、ノミが付着する前に予防を徹底しましょう。スポットオンタイプ、経口薬などさまざまなタイプがあるので、ペットに合ったものを使用してください。

2. ペットの環境管理:

  • ペットが過ごす場所の清潔を保つことが重要です。寝具やカーペットは定期的に洗濯し、掃除機を頻繁にかけることで、ノミの卵や幼虫を取り除くことができます。特に、春から秋にかけては、ノミの発生しやすい時期なので注意が必要です。

3. 他の動物との接触を管理:

  • 外出時や他の動物と接触する際には、ノミが付着しないよう注意しましょう。ドッグランやペットホテルを利用する際も、事前にノミ予防が施されているか確認することが大切です。

4. 日常ケアとホームケアの方法

1. 定期的なブラッシング:

  • ブラッシングを行いながら、皮膚の状態をチェックします。ノミの糞や卵が見られた場合はすぐに対処が必要です。

2. シャンプー:

  • ノミ駆除効果のあるシャンプーや、アレルギー皮膚炎に優しい低刺激のシャンプーを使用します。シャンプー後は、ペットをよく乾かし、湿気の残りによる皮膚トラブルを防ぎましょう。

3. 室内環境の清掃:

  • ペットが過ごす場所だけでなく、カーペットや家具、車のシートなども定期的に掃除し、ノミの発生を防ぎます。

5. よくある質問(Q&A)

Q1: 犬がノミに噛まれたかもしれません。すぐに病院へ行くべきですか?
A: かゆみが続いたり、皮膚に赤い発疹や脱毛が見られる場合は、動物病院へ行くことをお勧めします。早期の治療が悪化を防ぎます。

Q2: ノミ駆除薬を使っていますが、ノミアレルギー性皮膚炎の症状が出ることがあります。どうしてですか?
A: たとえ1匹のノミでもアレルギー反応が起こることがあります。駆除薬の効果が現れる前にノミが噛む場合があるため、環境管理を強化し、病院で追加の治療が必要になることもあります。

Q3: ペットが外出しないのに、なぜノミがつくのでしょうか?
A: ノミは他の動物や人間の靴や服に付着して家庭に持ち込まれることがあります。外出しないペットでも、室内でノミに感染する可能性があります。

Q4: ノミ駆除薬は何カ月ごとに使用するべきですか?
A: 一般的に、月1回の使用が推奨されていますが、季節や環境に応じて獣医師に相談し、最適な頻度を決めてください。


6. アドバイスコーナー:ノミアレルギー性皮膚炎を未然に防ぐために

1. 早めの対応が鍵:
ノミアレルギー性皮膚炎は、症状が悪化する前に早期に対処することが重要です。かゆみや皮膚の変化に気づいたら、すぐに動物病院で診断を受けましょう。

2. 予防は持続的に:
ノミ駆除は一度で終わりではなく、持続的に行う必要があります。駆除薬や清掃など、定期的なケアを怠らないことで、アレルギー反応を未然に防ぐことが可能です。

3. ペットの健康管理:
皮膚の健康は全身の健康と直結しています。定期的な健康診断や皮膚のチェックを行い、異常があれば早めに治療を始めることが大切です。


まとめ:
ノミアレルギー性皮膚炎は、犬や猫にとって非常に苦痛な疾患です。飼い主がノミの予防と早期発見に努め、適切な治療を行うことで、ペットの快適な生活を守ることができます。ペットの皮膚に異常が見られた場合やノミが確認された際は、すぐに動物病院へご相談ください。

関連ページ

ノミ(蚤)とダニの定期チェック

ノミ!ダニ!はこんなとこの潜んでいる

瓜実条虫(サナダムシ)とは?ペットの健康を守るために知っておきたいこと

猫ひっかき病とは?症状・予防策と知っておきたいQ&A

公開日:

ノミ!ダニ!!は こんなとこに潜んでいる

「うちの子は家から出さないのにノミがついてしまいました」と悩む飼い主さんが多いですが、ノミやダニは飼い主の服や靴底に付着して家庭内に持ち込まれたり、他の動物との接触によって広がります。特に、雨上がりで気温が高い時期は、ノミやダニが活発になるため、注意が必要です。

ノミが潜んでいる場所

  • ペットのベッドやカーペット、家具の隙間:暖かく湿度の高い場所が好きです。
  • 草むら、公園、庭の落ち葉や茂み:外で遊んだペットに付着しやすいです。
  • 動物同士の接触:ノミは他の動物から簡単に移ります。

ノミがもたらす被害(犬・猫への影響)

  • かゆみや皮膚炎:ノミの唾液にアレルギー反応を起こし、かゆみや皮膚炎を引き起こします。特に「ノミアレルギー性皮膚炎」は慢性化しやすいです。
  • 貧血:ノミが大量に吸血することで特に子犬や子猫に貧血が起こることがあります。
  • 瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)の感染:ノミを介して寄生虫に感染するリスクがあります。

ノミがもたらす被害(人への影響)

  • かゆみや刺し傷:ノミに刺されると足や足首にかゆみや発疹が生じます。
  • 皮膚炎やアレルギー反応:人もノミの唾液にアレルギー反応を示し、かゆみや腫れが起こることがあります。

マダニによる被害

マダニが潜んでいる場所

※ダニ(血を吸った状態のものです)

  • 草むら、森林の茂み、公園のベンチ:外で遊んだ犬や猫の被毛に付着しやすいです。
  • 庭や芝生:ペットが外出先から持ち帰ることが多いです。

マダニがもたらす被害(犬・猫への影響)

  • バベシア症:マダニが媒介する原虫が犬の赤血球を破壊し、重篤な貧血や発熱を引き起こします。早期治療が必要です。
  • 皮膚炎やかゆみ:マダニの吸血は長時間続き、吸血部位にかゆみや炎症を引き起こし、二次感染を引き起こすことがあります。
  • ライム病:マダニが原因で発熱や関節炎を引き起こします。

マダニがもたらす被害(人への影響)

  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS):SFTSウイルスを媒介するマダニによる感染で、発熱や下痢、吐き気、血小板の減少を引き起こし、重篤な場合には死亡することがあります。
  • ライム病:発熱や筋肉痛、関節痛が起こり、放置すると慢性関節炎になることもあります。

予防方法

ペットに対する予防

  1. 定期的な薬剤投与:動物病院で処方されるノミ・ダニ予防薬を1ヶ月ごとに適用しましょう。

     ノミトリをつける際の注意事項

      Ⅰ.誤ってノミトリを舐めてしまった場合、下記の症状がみられることがあります。

           ※特に多頭飼いされている方は注意してください。

              ・嘔吐

              ・下痢

                ・元気消失(重症はぐったりすることも)

               ・食欲不振

                ・よだれ

       Ⅱ.ノミトリをつけた箇所が脱毛する場合もあります

       Ⅲ.ノミトリを付けたら乾くまではその部分を触らず、触ってしまった場合はすぐに手を洗ってください。

    上記の症状が見られた場合はすみやかに病院に来院されてください!

   2.室内環境の清潔維持:ペットの寝床やカーペットを定期的に掃除し、ノミやダニの繁殖を防ぎます。                                                   3.ブラッシングと点検:外出後にペットの体毛をブラッシングし、ダニの早期発見を心がけましょう。

人に対する予防

  1. 適切な服装:草むらや森林では、長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を防ぎましょう。
  2. 虫よけスプレーの使用:外出時には、虫よけスプレーを活用してノミやダニの付着を予防しましょう。
  3. 定期的な掃除:ノミやダニを家の中に持ち込まないように、カーペットや家具の隙間を中心に掃除を行いましょう。

よくある質問 (Q&A)

Q1. ノミやダニの予防薬はどのくらいの頻度で使うべきですか?
A2. 予防薬は1ヶ月ごとに使用するのが一般的ですが、製品によって異なります。獣医師と相談し、適切な予防薬を定期的に使用してください。

Q2. 室内飼いのペットでもノミ・ダニ予防が必要ですか?
A3. 室内飼いでも、飼い主の服や靴を通じてノミやダニが持ち込まれることがあるため、予防が必要です。

Q3. ノミやダニが家の中で繁殖したらどうすればいいですか?
A4. ペットに予防薬を使い、カーペットや家具の隙間など家全体を徹底的に掃除し、必要に応じて殺虫スプレーを使用しましょう。

Q4. ノミやダニの予防薬はどれくらいの期間、効果が続きますか?
A4. 多くのノミ・ダニ予防薬は1ヶ月間効果が持続します。しかし、製品によっては3ヶ月間効果が持続するものや、数週間ごとに再投与が必要なものもあります。獣医師に相談して、ペットに最適な予防薬と使用頻度を確認することが大切です。

Q5. 1年を通して予防薬を使用する必要がありますか?
A5. 地域や気候により異なりますが、春から秋にかけてはノミやダニの活動が特に活発になるため、1年を通して予防することが推奨される場合があります。特に暖かい地域や室内環境の温度が高い場合は、冬でも予防薬を使用するのが良いでしょう。

Q6. ノミ・ダニの予防薬を切らした場合、どうすればいいですか?
A6. 予防薬を切らした場合、できるだけ早く再投与することが重要です。長期間予防薬を使用しないと、ノミやダニが再び繁殖する可能性が高まります。薬が手に入らない場合は、獣医師に相談し代替手段を確認してください。

Q7. 予防薬を適用するタイミングはありますか?
A7. 予防薬は、ノミやダニが活動を始める前の早い段階、特に春先から適用し始めるのが理想的です。ただし、通年予防が必要な場合は、定期的に1ヶ月ごとなどに使用し続けることが推奨されます。

公開日:

ノミ(蚤)とダニの定期チェック

ノミ(蚤)とダニの定期チェック

ノミやダニがついていないかチェックする方法をいくつかご紹介します。


ノミの見つけ方

1.仕草編
  体をしきりに掻いていませんか?咬んでいませんか?

2.便 編
  便をよく観察してみてください

  白い米粒状のものが混ざっていたら、条虫(サナダムシ)かもしれません

 

3.作業編

用意していただくもの

用意していただきたいものは2つ。

まず目の細かい櫛、もうひとつは塗らしたティシュ数枚です。櫛については参考用に写真を載せておきます。


では作業にかかりたいと思います。

      step1.目の細かい櫛で、頭から順番にしっぽまでブラッシング

               ↓

      step2.塗らしたティシュの上にブラッシングした毛をのせてみる

               ↓

      step3.ティシュの色の変化を待つ

ティシュが赤くなったら、それはノミがいるということです。

赤いのは動物の血を吸ったノミの糞です

 余談ですが、白いシーツを広げてじっと見ているとノミが跳ぶ姿を見ることが出来ます。
家にノミがいる前提ですが・・・ 

これだけはやってはダメ

ノミを指で潰す飼い主さんもいらっしゃいますが、やめてください。

条虫の卵をもっている可能性もあるので、指でつぶすことで、周りにまき散らす可能性があります。

ダニの見つけ方

ダニは肉球(足裏)、目の周り、耳、口の周り、首輪の裏、脇など、毛が少なく湿度の高いところを好みます。

体をそっと触って指に触れるものがないか、先ほどあげた個所を重点的にみてみてください。

 

血を吸う前は小さくて気が付きにくいものですが、血を吸ったダニは小豆くらいの大きさに

なり、イボと勘違いして来院される飼い主さんもいらっしゃいます。

見つけても決して無理に取ろうとせず、来院してください。

ダニ(血を吸った状態のものです)

 

予防方法

ノミダニの駆虫薬を毎月つけてもらうことを推奨しています。

 

 

公開日:

猫の発情

本日は猫です。

猫の発情と犬の発情では違う点がいくつかあります。

猫は平均10ヶ月で成熟します。(長毛種:ペルシャなどは1年半ほどかかる子もいます。)

犬では発情が年1回から2回といいましたが、猫は決まっておらず多発情です。

また日照時間が発情周期をコントロールしており、春になり日照時間が長くなると

発情が誘発され、秋になり日照時間が短くなるととまります。

不思議なことに屋内の電気、人工灯でも発情を誘発できるそうです。

興味をもたれた方は是非調べてみてください(^^

発情中の様子

〇飼い主さんや家の柱などに頭をこすりつける回数が増える

〇普段、外に出たがらない子でも外へ出たがる

〇犬のように出血は起こらない場合が多い

〇尿の回数が増える

〇食欲が落ちる

〇独特な声で鳴く

  

公開日:

犬の発情期

犬の発情期

 今回は発情期について、お話をします。

 もうペットを飼っている方、今まで飼っていた方は発情期と言われれば

 ぴんとくると思います。でも身の回りにペットがいない方はいまいち分からない

 かもしれません。これから飼おうかなと思っているかた、

 または人生で初めてペットを飼いましたという方へ向けて

 少しお話できればと思います。

 後日、猫の発情の話をしたいと思います。

いつから?

 生後6ヶ月~12ヶ月で成熟を迎え発情がおこります。

 小型犬の成熟期は大型犬に比べ早いです。

 回数は年2回、あるいは年1回、発情期は約2週間ほど続きます。

 

発情の特徴

 ・食欲が落ちる

 ・尿の回数が多くなる

 ・クッションやぬいぐるみなどの上に乗っかって腰を振るような行動

 ・いつも以上に飼い主さんに甘える

 ・いらいらしている

 ・出血がある

  ただし、小型犬の場合は出血量が少ない場合もあり、

  自分で舐めてしまい飼い主さんは気が付かないことも

 

 偽妊娠とは

  偽妊娠って言葉を聞いたことのある飼い主さんもおられると思います。

  発情が終わって、妊娠していないのに妊娠しているかのように母性があらわれたり

  乳頭が大きくななって、お乳が出たりすることがあります。

  これはホルモン的な変化によるもので、妊娠といいます。

  この状態が続くようであれば、掛かりつけの病院の先生に相談しましょう。

 注意すること

  発情中のメスのニオイにオスが反応し追いかけられたり、

  ケンカに巻き込まれたりすることもあるので、

  発情中は犬がいる場所に行かないようにした方がいいかもしれません。

 最後に避妊去勢手術については別のページに書いてありますので、

 よろしければ見てみてください。

公開日:

子猫を保護された方へ その3

五、社会化

子猫に限らず動物には生後3ヶ月間の社会化という時期があります。

社会化とは群れの中で、単独で生きていく上でのルールやマナーを学んで行く過程です。

例えば

子猫が親猫や兄弟と咬んだり、時には引っ掻いたりしてじゃれ合ってる光景をみたことはありませんか?

これは遊びを通して、相手がどのくらいまでなら許してくれるかを学んでいるのです。

これは『猫』の世界での社会化ですが、『人と猫』の世界での社会化もあります。

人と生活していく上で必要なことを学ぶこととして、

トイレのしつけ

飼い主さん以外の人を見ておびえないようにする

壁やイスなどで爪とぎをしないようにする為に、いくつか爪とぎを用意することなどです。

これからあなたと子猫、一緒になって社会化を学んでいってください。

補足

a.生後1ヶ月くらいまでは爪が出たままで、自分で引っ込めることは出来ません。

次第に引っ込めるようになるので安心してください。

それまでは痛いかもしれませんが我慢です!!

b.体重測定

体重は毎日、計ってあげてください。

家にある料理用計りの上にタッパなどの容器を載せ、その中に子猫入れて計ってください。
※1

c.ノミ取り

ある一定の体重になるまではノミ取りはつけられません。

定期的に目の細かい櫛でブラッシングしてノミを取ってあげてください。
※2
   ノミが体にいるとノミに血を吸われて貧血になるかもしれませんし、病気にかかる可能性もあります。

d.睡眠

睡眠は十分に

家の中の静かな場所に猫用のバスケットなどを居心地の良い場所を見つけてあげ、

子猫だけのテリトリーを作ってあげてください。

眠っている子猫は寝かせておきましょう。


 ※1
↑上の写真のようなものやデジタルのものなど


※1
グッデイやナフコなどのホームセンターやペットショップで購入可能です。

公開日:

子猫を保護された方へ その2

三、食事

用意するもの

①動物用哺乳ビン
ペットショップ、ホームセンターや病院に置いてあります。 

                         

②スポイド

旅行用品店などに置いてある、香水を詰め替えたりする時に使うものなどを利用してください。
未使用のものを使ってください。
  

         

 ③猫用ミルク
       
        
    注意点

  a.生後30日までは消化機能が未発達なので、食事はこまめに分けて与えてください。

     回数は1日5~6回を目安にして下さい。

    b.ミルクは猫用のミルクを与えてください。
 
    どうしてもその時、猫用のミルクが手にはいらなければ応急処置として、

    人用のミルクもしくはヤギのミルクで代用しても構いません。

    猫用のミルクは人用のミルクやヤギのミルク、犬用のミルクもですが

   それぞれ糖などの成分の違いがあり下痢をしてしまう恐れがあります。

   与えるとしても1、2回だけにしてください。

  下痢は体力にない子猫にとっては大変危険なことです。

                                                                        
 
 c.ミルクの温度は人肌程度にしてください。
   熱くてもやけどをしますし、冷たいと子猫は興味を示さないかもしれません。

  d.動物用哺乳ビンについている乳首では大きすぎて飲めない子もいます。
  その様な場合はスポイドを使って飲ませてあげてください。

                   

 e.生後30日頃から徐々に離乳食にかえ、生後60日頃を目安に子猫用の
   ドライフードへとかえてください。
  まだ1回の食事で消化できる量は限られていますので、
  袋に書かれている1日量を3~4回に分けてあげてください。

四、排泄について

用意するもの

ガーゼやコットンもしくはティッシュ

子猫は生後30日以上にならなければ自力で排泄をすることが出来ません。

通常は母猫が子猫のお尻を舐めて刺激を与え、うんちやおしっこを出させます。

母猫替わりに、食事を終えたらガーゼやコットンもしくはティッシュを水に濡らし肛門付近を

軽く擦り刺激を与え排泄を促してください。



うんちからの病気の感染率は高いので、こまめに処分してあげてください。

 

公開日:

子猫を保護した方へ

ここ数日、子猫を保護された方の通院が多くみられるようになってきましたので

「子猫を保護された方へ」タイトルで再度ブログにアップしたいと思います。

生後数週間の子猫の生存率はかなり低いです。

通常、子猫は母猫から免疫をもらい免疫をつけていくのですが、初乳を飲んでいない子猫は免疫の

移行がなされていない為、特に弱いと考えられます。

また生まれたての子猫は目も開いておらず、耳も聞こえませんし、歩くことも出来ません。

子猫が成猫になれるよう、このサイトを通じお手伝い出切ればと思い、3日間に分け紹介していきます。

1日目は『子猫の状態チェック』 と 『飼育環境』
2日目は『食事』 と 『排泄』
最終日は『社会化』 と 『補足』です。

一、子猫の状態チェック

項目

□ 元気はありますか?

□ 鳴かなかったり、体は震えていませんか?

□ 目やにがひどかったり、鼻水は出てませんか?

□ うんちは下痢っぽくないですか?

□ うんちに血は混ざってないですか?

1つでも該当する場合はすぐに最寄の動物病院へ連れて行ってください。

動物病院へ連れて行く時(冬場)

子猫をタオルに包み寒くないようにして連れて行く
ことをお勧めします。

二、飼育環境

子猫はまだ自分で体温を調節することが出来ません。

ですから周りを暖かくしておかなければ体温は下がってしまいます。

                                                                                     

段ボールを用意してもらい、中に毛布やタオルを入れてあげてください。段ボールは保温性があります。

また秋口から夜は気温が下がるので、ペットボトルにお湯を入れ、タオルで包んだものを段ボールの中へ

いれてあげてください。

注意事項
 
お湯を入れたペットボトルを段ボールに直接入れると、子猫がやけどをしてしまう

恐れがあるので必ずタオルで巻いてください。

公開日:

犬猫のための混合ワクチン接種の重要性

混合ワクチン接種は毎年の接種をお願いしています。ただ生後3ヶ月未満のワンちゃん、ネコちゃんには生後3ヶ月までは1ヶ月おきの接種をお願いしています。なぜか出産時から母乳以外で育ってきた子は母乳からのプレゼント(病気に対する抵抗力)がないため早めに接種する必要があります。自然免疫はあかちゃんの成長とともに自然に失われていきます。あかちゃん自身で免疫をつくり、病気を予防する必要がでてきます。このために混合ワクチンがあります。また、家に迎えて、2週間未満のワンちゃん、ネコちゃんに関しては1~2週間以上たって、新しい環境に慣れてから混合ワクチン接種をした方がいいでしょう。高齢やワクチン接種後具合の悪くなったことのある子に対して選択の一つとしてワクチンの抗体検査を選択肢にひとつとして提案しています。

犬の混合ワクチン
犬に用いる混合ワクチンは、一般的に以下のような感染症に対する免疫を付与します

  • 犬ジステンパー:犬の呼吸器や神経系に影響を与える重篤な病気です。
  • 犬パルボウイルス感染症:激しい下痢や嘔吐を引き起こし、特に子犬にとって致命的となることがあります。
  • 犬伝染性肝炎:肝臓にダメージを与えるウイルス性の病気です。
  • 犬パラインフルエンザ:犬の呼吸器に感染し、咳などの症状を引き起こします。
  • レプトスピラ症:人にも感染する可能性がある細菌性の病気です。

猫の混合ワクチン
猫に用いる混合ワクチンでは、次の感染症に対する予防が含まれます

  • 猫カリシウイルス感染症:口内炎や呼吸器症状を引き起こすウイルスです。
  • 猫ウイルス性鼻気管炎:猫の風邪のような症状を引き起こします。
  • 猫汎白血球減少症(パルボウイルス感染症):激しい下痢や嘔吐を伴い、致命的となることがあります。
  • 猫白血病ウイルス感染症:免疫力を低下させ、様々な病気を引き起こす可能性があります。

ワクチン接種のスケジュール
犬猫の混合ワクチンは、生後約8週齢から初回接種を行い、その後は3~4週間ごとに数回の追加接種を行うことが一般的です。また、成犬・成猫に対しても定期的な追加接種(年1回)が推奨されています。

ワクチン接種の重要性
ワクチン接種は、犬猫が健康に過ごすために不可欠です。特に、集団生活や外出が多いペットにとっては、他の動物との接触による感染リスクを低減する重要な手段です。また、一部の感染症は人間にも感染する可能性があるため、家族全体の健康を守ることにも繋がります。

副作用について
稀にワクチン接種後に顔が腫れたり、吐いたりする子がいます。接種後の経過を観るため病院で、20~30分経過を観る場合があります。特に初めて接種される場合、午前中の接種が望ましいと思います。一度でもこのような症状がみられた子に関して、当院では免疫の有無を確かめるため、外部検査機関に依頼することもあります。検査が出るまでに2週間程度かかりますが 、飼い主さんに安心してもらえるようお勧めしています。以上のことは固体差があるので 、掛かりつけの病院で先生に相談してください。

こんな時はワクチン接種を控えて

自分の子供が風邪を引いている時に、インフルエンザ予防ワクチンを接種したりしませんよね。同じようにペットが具合の悪い時(お腹を壊している、食欲がないくしゃみをするetc)はワクチン接種を控えてください。

ワクチン接種後は安静に

ヒトと同じようにワクチン接種後は激しい運動は避け、安静にするようにしてください。ワクチンを打ってもすぐに免疫ができる訳ではありません。抗体ができるまでに1~2週間ほどかかると言われていますので、他の子に会わせたいという気持ちはわかりますが、子犬や子猫の場合は特にすぐに他の子たちとの接触は避けた方がいいです。何か気になることがありましたら、お問い合わせください。

 

<ワクチン費用>

————– 犬の混合ワクチン ————–

犬 6種混合ワクチン  6,804円(税抜き)

犬 8種混合ワクチン 8,934円(税抜き)

 

————– フェレットの混合ワクチン ————–

フェレット 6種混合ワクチン  4,510円(税抜き)

 

————– 猫の混合ワクチン ————–

猫 3種混合ワクチン 5,940円(税抜き)

 

<余 談>

新居に入居する時、ペットを預ける時などに

ワクチンの証明書の提示が必要な時があります。

そんな時に

あれ?どこになおしたかな・・・

なんてならないように!

ワクチンの証明書保管

 
   
   
   

公開日:

シリーズ それって病気のサインかも!? 猫の泌尿器疾患編 

猫の泌尿器疾患

ネコちゃんのおもらし、血尿、頻尿、多尿など、おしっこのトラブルを理由に来院される飼い主さんを多くみられます。肥満(ダイエット)、トイレの位置の変更や数を増やす、清潔にするなど環境の改善で、自然と治ってしまうのもの。発見が遅れると命に関わるものや手術が必要になるものなど様々です。

猫の泌尿器疾患と主な症状

猫の尿路と腎臓の病気には色々ありますが、当院で通院される猫ちゃんは尿道閉塞、特発性膀胱炎および慢性腎臓病が挙げられます。尿道閉塞は尿道に結石がつくられることで、尿がでなくなる病気です。特発性膀胱炎はストレスや飲水量の問題によりおこる病気です。どちらの病気も症状として、頻尿・血尿・おもらし等がみられます。そして、猫の病気で最も多いとされているのが慢性腎臓尿です。初期症状として、飲水量の増加・尿量の増加・尿の色が薄くなる等の症状です。悪化していくと嘔吐、食欲不振がみられていき、重度になると尿毒症を発症する病気です。

ネコの泌尿器疾患の検査と治療

診断に必要な検査としては、血液検査、尿検査、X線検査、エコー検査などが挙げられます。血液検査でわかることは腎臓の働き。尿検査でわかることは尿路結石(結晶)、尿路細菌感染 、尿路の出血、蛋白尿 など。検査をすることで、早期発見につながります。

治療内容は、慢性腎臓病では点滴や積極的に水分を補給することにより、脱水を予防したり、体内の水分量を増加させて尿の量を増やし、老廃物の排泄を促したりします。腎臓の負担軽減のために腎臓病療法食や血圧のコントロールなどです。尿道閉塞に関しては、閉塞の解除と食事療法などによる再発予防。最後に特発性膀胱炎では、ストレスの解除や抗炎症剤、飲水量の増加が主な治療方法に挙げられます。

泌尿器性の疾患に関しては一度発症すると、完治しても再発することが多いです。そのため、長く向き合っていく疾患のひとつだと考えた方がよいかもしれません。

おしっこに関するブログは「心当たりありませんか?」でも紹介してますので合わせて読んでみてください。

おしっこチェックの方法については花王のサイト「月に1度の新習慣オシッコチェックの方法」を参考にしてみてください。リンクを貼っておきます。

https://www.kao.co.jp/cat-health/howto/

 

公開日: