猫の環境ストレス:サインの見極め方と予防方法
最近、身体じゅう舐めて脱毛・トイレ以外でおしっこをするなど、このような悩みで来院される飼い主さんがいらしたので、皆さん共通した要因(新しい家族ができた、もう一匹迎い入れたなど)がありましたので、お話させていただきます。
環境変化によるストレス。
ひともそうですが、環境の変化は不安も伴います。特に縄張り意識の強い猫にとっては、ひと以上に感じてしまいます。なので少しでも不安を軽減させ快適に過ごせるようになればと思います。
ストレスサインとしてあげられるものは
- 食欲不振: 急に食べなくなる、または食べる量が減ることがあります。
- 隠れる: 普段は出ている場所から離れて、隠れるようになることがあります。
- 過剰なグルーミング: 体を過剰に舐める、毛が抜けるほどグルーミングを行うことがあります。
- 攻撃的行動: 急に噛んだり引っ掻いたりするようになる場合があります。
- トイレの失敗: トイレ以外の場所で排泄することがあります。
- 異常な鳴き声: 不安そうな声で頻繁に鳴くようになることがあります。
- 嘔吐
etc
ストレス要因と予防方法
1引っ越し
転勤などの引っ越しで、新たな場所で新生活を迎える猫もいると思います。生活環境が大きく変わる引っ越しは猫にとって自分の縄張りから出ることになり、ストレスを感じます。ついつい新居には新しいものをと考えてしまいますがしばらくは今まで使っていたものを使用してください。たとえばトイレ、食器、ベットなど。空間が自分のニオイに満たされているとリラックスします。
2.家族構成の変化
学校や仕事の関係で、家族の一人が家をでたり、戻ってきたり。結婚・出産によって家族が増える。いつも遊んでくれたひとがいない、知らないひとがいるというのもストレスの原因の1つです。いままで一緒にいたのに💦と思われる方もいらっしゃると思いますが、しばらく離れて暮らしていると猫にとっては知らないひとになってしまいます。必要以上にかまわずに猫のほうから近寄ってきたらおやつをあげるなど距離を縮めていってください。
3.来客
来客は、警戒心が強い猫にとっては知らないひとが自分のテリトリーに入ってくるため、ストレスを感じることがあります。ひとが好きな猫例外ですが。出来るだけ会いたくないので、隠れて出てこないことが多く、トイレや水を我慢する猫もいます。そういった場合はお客さんと会わないように別の部屋に誘導してあげてください。部屋が難しい場合はキャリーケースを。猫は狭いところ、暗いところも安心できる場所です。もちろん、そこにはお水やお食事、トイレの準備も忘れないでください。
※一時期、乾燥機の中に入るのがマイブームだったナナ🐈
4.トイレについて
猫はとてもきれい好きなので、汚れていたり、トイレがしにくい形のものだと粗相が増えたり我慢したりします。猫のトイレは猫の頭数+1個程度がいいといわれています。しかし、多頭飼いの場合現実的に難しいことも。一番はトイレを常にキレイにしておくことです。トイレをしたらすぐに片づけてください。また猫のトイレ場所は、静かで風通しが良く、猫の食事場所から少なくとも数メートル以上離してあげてください。数メートルも離すことが難しい場合はパーテーションや家具を使って視覚的に分離することで、猫がそれぞれの場所を独立したものと感じやすくなります(視覚的な分離)。猫は清潔を好むため、トイレの近くに食事を置くと不快に感じる可能性があり、食欲不振やトイレの問題につながることがあります。
4.運動量不足
若い猫は自分の縄張りの確認のためたくさん移動をします。走れない、ジャンプできない環境はストレスになります。キャットタワーなどを利用して上下に行動できる環境を整えてあげてください。
5.騒音
自宅付近で工事がはじまったり大きな音がなり続けることもストレスの原因のひとつです。ダンボールに毛布をかけてあげて避難所を用意してあげてください。
ストレスが原因で引き起こす病気
1. 下部尿路疾患(FLUTD)
ストレスは猫の下部尿路疾患(FLUTD)の一因となることがあります。特に、ストレスが膀胱炎を引き起こしやすくし、尿路に問題を生じさせることがあります。この疾患は尿の排出困難や血尿、頻尿などの症状を引き起こします。
2. 毛づくろい過剰(過剰グルーミング)
ストレスを感じた猫は、過剰に毛づくろいをすることがあります。これは「心因性脱毛症」とも呼ばれ、毛が抜けるほど舐め続け、皮膚が荒れたり、炎症を起こすことがあります。
3. 消化器系の問題
ストレスは猫の消化器系にも影響を与え、嘔吐、下痢、便秘などを引き起こすことがあります。特に、急性のストレスが猫の食欲に影響を与え、食べすぎや食欲不振を引き起こすことがあります。
4. 免疫力の低下
長期間のストレスは猫の免疫システムを弱らせ、感染症にかかりやすくなる可能性があります。これにより、猫ヘルペスウイルス感染症(ネコカゼ)やその他の感染症(猫伝染性腹膜炎(FIP))にかかりやすくなることがあります。
5. 行動問題
ストレスが原因で、攻撃性の増加、過度な鳴き声、トイレの失敗などの行動問題が発生することがあります。また、隠れたり、人間や他の動物との接触を避けるようになることもあります。
6. 肥満や体重減少
ストレスが原因で食欲が変動し、肥満または体重減少を引き起こすことがあります。過食はストレスを和らげるための行動となり、逆にストレスで食欲が低下することもあります。
以上
ストレスによって体調を壊している場合は自然と治る場合がありますが、何日も続く場合は一度、来院をおすすめします。
猫にとって何がストレスになっているか理解してあげることは難しいことかもしれませんが少しでも皆さんの参考になればと思います。またはじめて猫を迎えることになった飼い主さんにも参考になれば幸いです
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犬の発情期
犬の発情期
今回は発情期について、お話をします。
もうペットを飼っている方、今まで飼っていた方は発情期と言われれば
ぴんとくると思います。でも身の回りにペットがいない方はいまいち分からない
かもしれません。これから飼おうかなと思っているかた、
または人生で初めてペットを飼いましたという方へ向けて
少しお話できればと思います。
後日、猫の発情の話をしたいと思います。
いつから?
生後6ヶ月~12ヶ月で成熟を迎え発情がおこります。
小型犬の成熟期は大型犬に比べ早いです。
回数は年2回、あるいは年1回、発情期は約2週間ほど続きます。
発情の特徴
・食欲が落ちる
・尿の回数が多くなる
・クッションやぬいぐるみなどの上に乗っかって腰を振るような行動
・いつも以上に飼い主さんに甘える
・いらいらしている
・出血がある
ただし、小型犬の場合は出血量が少ない場合もあり、
自分で舐めてしまい飼い主さんは気が付かないことも
偽妊娠とは
偽妊娠って言葉を聞いたことのある飼い主さんもおられると思います。
発情が終わって、妊娠していないのに妊娠しているかのように母性があらわれたり
乳頭が大きくななって、お乳が出たりすることがあります。
これはホルモン的な変化によるもので、偽妊娠といいます。
この状態が続くようであれば、掛かりつけの病院の先生に相談しましょう。
注意すること
発情中のメスのニオイにオスが反応し追いかけられたり、
ケンカに巻き込まれたりすることもあるので、
発情中は犬がいる場所に行かないようにした方がいいかもしれません。
最後に避妊去勢手術については別のページに書いてありますので、
よろしければ見てみてください。
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冬の猫風邪に要注意!!
猫風邪ってなに?
よく冬に鼻水や目やにで顔がぐじゅぐじゅのネコちゃんがいます。
そんな症状を起こす病気のひとつに、猫ウィルス性鼻気管炎があります。
猫ウィルス性気管炎(FVR ※1)は通称 猫風邪とも呼ばれ、
特に冬に発症しやすい病気です。
※1 FVRに感染すると、発熱や元気消失、食欲不振などが見られ、
ひどくなると、目やにを伴う結膜炎から始まり、
くしゃみ、咳をするようになります。
鼻汁は膿性鼻汁(つまり、あおばな)なので、鼻周囲の汚れが目立ちます。
ぱっと見た感じは、顔がぐじゅぐじゅだなと印象をうけます。
感染経路は?
感染源は主に感染猫ちゃんとの接触です。
また感染猫ちゃんのくしゃみによる飛沫感染もあります。
このウィルスに感染すると、そのウィルスは完全に排除されることは少なく
体調がよく、元気な時は症状はほとんど出ませんが、
体調が悪くなると発熱や元気消失などの症状を発現させます。
このように一度感染すると、生涯にわたり再発を繰り返す場合があります。
また子猫では悪化したら死亡率の高い病気です。
猫風邪の対策は?
予防として、主も有効的なのが、ワクチン接種です。
子猫のうちからしっかり接種しておきましょう。
また、体調を崩さないようにきちんとした健康管理も大切ですよ!
猫風邪は感染力が強く、感染猫と接触すると高い確率でうつります。
室内飼いだし外に出ていかないから大丈夫!と思っている飼い主さん 網戸越しで外猫と接触する可能性もあるので、十分な注意を払いましょう。
また飼い主さんの手や服に付着したウイルスによって、 愛猫が感染することもあります。よその猫や野良猫を触った時は必ず手洗いしましょう
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子猫を保護された方へ その3
五、社会化
子猫に限らず動物には生後3ヶ月間の社会化という時期があります。
社会化とは群れの中で、単独で生きていく上でのルールやマナーを学んで行く過程です。
例えば
子猫が親猫や兄弟と咬んだり、時には引っ掻いたりしてじゃれ合ってる光景をみたことはありませんか?
これは遊びを通して、相手がどのくらいまでなら許してくれるかを学んでいるのです。
これは『猫』の世界での社会化ですが、『人と猫』の世界での社会化もあります。
人と生活していく上で必要なことを学ぶこととして、
トイレのしつけ
飼い主さん以外の人を見ておびえないようにする
壁やイスなどで爪とぎをしないようにする為に、いくつか爪とぎを用意することなどです。
これからあなたと子猫、一緒になって社会化を学んでいってください。
補足
a.生後1ヶ月くらいまでは爪が出たままで、自分で引っ込めることは出来ません。
次第に引っ込めるようになるので安心してください。
それまでは痛いかもしれませんが我慢です!!
b.体重測定
体重は毎日、計ってあげてください。
家にある料理用計りの上にタッパなどの容器を載せ、その中に子猫入れて計ってください。
※1
c.ノミ取り
ある一定の体重になるまではノミ取りはつけられません。
定期的に目の細かい櫛でブラッシングしてノミを取ってあげてください。
※2
ノミが体にいるとノミに血を吸われて貧血になるかもしれませんし、病気にかかる可能性もあります。
d.睡眠
睡眠は十分に
家の中の静かな場所に猫用のバスケットなどを居心地の良い場所を見つけてあげ、
子猫だけのテリトリーを作ってあげてください。
眠っている子猫は寝かせておきましょう。
公開日:
子猫を保護された方へ その2
三、食事
用意するもの
①動物用哺乳ビン
ペットショップ、ホームセンターや病院に置いてあります。
②スポイド
旅行用品店などに置いてある、香水を詰め替えたりする時に使うものなどを利用してください。
未使用のものを使ってください。
③猫用ミルク
注意点
a.生後30日までは消化機能が未発達なので、食事はこまめに分けて与えてください。
回数は1日5~6回を目安にして下さい。
b.ミルクは猫用のミルクを与えてください。
どうしてもその時、猫用のミルクが手にはいらなければ応急処置として、
人用のミルクもしくはヤギのミルクで代用しても構いません。
猫用のミルクは人用のミルクやヤギのミルク、犬用のミルクもですが
それぞれ糖などの成分の違いがあり下痢をしてしまう恐れがあります。
与えるとしても1、2回だけにしてください。
下痢は体力にない子猫にとっては大変危険なことです。
c.ミルクの温度は人肌程度にしてください。
熱くてもやけどをしますし、冷たいと子猫は興味を示さないかもしれません。
d.動物用哺乳ビンについている乳首では大きすぎて飲めない子もいます。
その様な場合はスポイドを使って飲ませてあげてください。
e.生後30日頃から徐々に離乳食にかえ、生後60日頃を目安に子猫用の
ドライフードへとかえてください。
まだ1回の食事で消化できる量は限られていますので、
袋に書かれている1日量を3~4回に分けてあげてください。
四、排泄について
用意するもの
ガーゼやコットンもしくはティッシュ
子猫は生後30日以上にならなければ自力で排泄をすることが出来ません。
通常は母猫が子猫のお尻を舐めて刺激を与え、うんちやおしっこを出させます。
母猫替わりに、食事を終えたらガーゼやコットンもしくはティッシュを水に濡らし肛門付近を
軽く擦り刺激を与え排泄を促してください。
うんちからの病気の感染率は高いので、こまめに処分してあげてください。
公開日:
子猫を保護した方へ
ここ数日、子猫を保護された方の通院が多くみられるようになってきましたので
「子猫を保護された方へ」タイトルで再度ブログにアップしたいと思います。
生後数週間の子猫の生存率はかなり低いです。
通常、子猫は母猫から免疫をもらい免疫をつけていくのですが、初乳を飲んでいない子猫は免疫の
移行がなされていない為、特に弱いと考えられます。
また生まれたての子猫は目も開いておらず、耳も聞こえませんし、歩くことも出来ません。
子猫が成猫になれるよう、このサイトを通じお手伝い出切ればと思い、3日間に分け紹介していきます。
1日目は『子猫の状態チェック』 と 『飼育環境』
2日目は『食事』 と 『排泄』
最終日は『社会化』 と 『補足』です。
一、子猫の状態チェック
項目
□ 元気はありますか?
□ 鳴かなかったり、体は震えていませんか?
□ 目やにがひどかったり、鼻水は出てませんか?
□ うんちは下痢っぽくないですか?
□ うんちに血は混ざってないですか?
1つでも該当する場合はすぐに最寄の動物病院へ連れて行ってください。
動物病院へ連れて行く時(冬場)は
子猫をタオルに包み寒くないようにして連れて行くことをお勧めします。
二、飼育環境
子猫はまだ自分で体温を調節することが出来ません。
ですから周りを暖かくしておかなければ体温は下がってしまいます。
段ボールを用意してもらい、中に毛布やタオルを入れてあげてください。段ボールは保温性があります。
また秋口から夜は気温が下がるので、ペットボトルにお湯を入れ、タオルで包んだものを段ボールの中へ
いれてあげてください。
注意事項
お湯を入れたペットボトルを段ボールに直接入れると、子猫がやけどをしてしまう
恐れがあるので必ずタオルで巻いてください。
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犬猫のための混合ワクチン接種の重要性
混合ワクチン接種は毎年の接種をお願いしています。ただ生後3ヶ月未満のワンちゃん、ネコちゃんには生後3ヶ月までは1ヶ月おきの接種をお願いしています。なぜか出産時から母乳以外で育ってきた子は母乳からのプレゼント(病気に対する抵抗力)がないため早めに接種する必要があります。自然免疫はあかちゃんの成長とともに自然に失われていきます。あかちゃん自身で免疫をつくり、病気を予防する必要がでてきます
犬の混合ワクチン
犬に用いる混合ワクチンは、一般的に以下のような感染症に対する免疫を付与します
- 犬ジステンパー:犬の呼吸器や神経系に影響を与える重篤な病気です。
- 犬パルボウイルス感染症:激しい下痢や嘔吐を引き起こし、特に子犬にとって致命的となることがあります。
- 犬伝染性肝炎:肝臓にダメージを与えるウイルス性の病気です。
- 犬パラインフルエンザ:犬の呼吸器に感染し、咳などの症状を引き起こします。
- レプトスピラ症:人にも感染する可能性がある細菌性の病気です。
猫の混合ワクチン
猫に用いる混合ワクチンでは、次の感染症に対する予防が含まれます
- 猫カリシウイルス感染症:口内炎や呼吸器症状を引き起こすウイルスです。
- 猫ウイルス性鼻気管炎:猫の風邪のような症状を引き起こします。
- 猫汎白血球減少症(パルボウイルス感染症):激しい下痢や嘔吐を伴い、致命的となることがあります。
- 猫白血病ウイルス感染症:免疫力を低下させ、様々な病気を引き起こす可能性があります。
ワクチン接種のスケジュール
犬猫の混合ワクチンは、生後約8週齢から初回接種を行い、その後は3~4週間ごとに数回の追加接種を行うことが一般的です。また、成犬・成猫に対しても定期的な追加接種(年1回)が推奨されています。
ワクチン接種の重要性
ワクチン接種は、犬猫が健康に過ごすために不可欠です。特に、集団生活や外出が多いペットにとっては、他の動物との接触による感染リスクを低減する重要な手段です。また、一部の感染症は人間にも感染する可能性があるため、家族全体の健康を守ることにも繋がります。
副作用について
稀にワクチン接種後に顔が腫れたり、吐いたりする子がいます。接種後の経過を観るため病院で、20~30分経過を観る場合があります。特に初めて接種される場合、午前中の接種が望ましいと思います。一度でもこのような症状がみられた子に関して、当院では免疫の有無を確かめるため、外部検査機関に依頼することもあります。検査が出るまでに2週間程度かかりますが 、飼い主さんに安心してもらえるようお勧めしています。以上のことは固体差があるので 、掛かりつけの病院で先生に相談してください。
こんな時はワクチン接種を控えて
自分の子供が風邪を引いている時に、インフルエンザ予防ワクチンを接種したりしませんよね。同じようにペットが具合の悪い時(お腹を壊している、食欲がないくしゃみをするetc)はワクチン接種を控えてください。
ワクチン接種後は安静に
ヒトと同じようにワクチン接種後は激しい運動は避け、安静にするようにしてください。ワクチンを打ってもすぐに免疫ができる訳ではありません。抗体ができるまでに1~2週間ほどかかると言われていますので、他の子に会わせたいという気持ちはわかりますが、子犬や子猫の場合は特にすぐに他の子たちとの接触は避けた方がいいです。何か気になることがありましたら、お問い合わせください。
<ワクチン費用>
————– 犬の混合ワクチン ————–
犬 6種混合ワクチン 6,804円(税抜き)
犬 8種混合ワクチン 8,934円(税抜き)
————– フェレットの混合ワクチン ————–
フェレット 6種混合ワクチン 4,510円(税抜き)
————– 猫の混合ワクチン ————–
猫 3種混合ワクチン 5,940円(税抜き)
<余 談>
新居に入居する時、ペットを預ける時などに
ワクチンの証明書の提示が必要な時があります。
そんな時に
あれ?どこになおしたかな・・・
なんてならないように!
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シリーズ それって病気のサインかも!? 猫の泌尿器疾患編
猫の泌尿器疾患
ネコちゃんのおもらし、血尿、頻尿、多尿など、おしっこのトラブルを理由に来院される飼い主さんを多くみられます。肥満(ダイエット)、トイレの位置の変更や数を増やす、清潔にするなど環境の改善で、自然と治ってしまうのもの。発見が遅れると命に関わるものや手術が必要になるものなど様々です。
猫の泌尿器疾患と主な症状
猫の尿路と腎臓の病気には色々ありますが、当院で通院される猫ちゃんは尿道閉塞、特発性膀胱炎および慢性腎臓病が挙げられます。尿道閉塞は尿道に結石がつくられることで、尿がでなくなる病気です。特発性膀胱炎はストレスや飲水量の問題によりおこる病気です。どちらの病気も症状として、頻尿・血尿・おもらし等がみられます。そして、猫の病気で最も多いとされているのが慢性腎臓尿です。初期症状として、飲水量の増加・尿量の増加・尿の色が薄くなる等の症状です。悪化していくと嘔吐、食欲不振がみられていき、重度になると尿毒症を発症する病気です。
ネコの泌尿器疾患の検査と治療
診断に必要な検査としては、血液検査、尿検査、X線検査、エコー検査などが挙げられます。血液検査でわかることは腎臓の働き。尿検査でわかることは尿路結石(結晶)、尿路細菌感染 、尿路の出血、蛋白尿 など。検査をすることで、早期発見につながります。
治療内容は、慢性腎臓病では点滴や積極的に水分を補給することにより、脱水を予防したり、体内の水分量を増加させて尿の量を増やし、老廃物の排泄を促したりします。腎臓の負担軽減のために腎臓病療法食や血圧のコントロールなどです。尿道閉塞に関しては、閉塞の解除と食事療法などによる再発予防。最後に特発性膀胱炎では、ストレスの解除や抗炎症剤、飲水量の増加が主な治療方法に挙げられます。
泌尿器性の疾患に関しては一度発症すると、完治しても再発することが多いです。そのため、長く向き合っていく疾患のひとつだと考えた方がよいかもしれません。
おしっこに関するブログは「心当たりありませんか?」でも紹介してますので合わせて読んでみてください。
おしっこチェックの方法については花王のサイト「月に1度の新習慣オシッコチェックの方法」を参考にしてみてください。リンクを貼っておきます。
https://www.kao.co.jp/cat-health/howto/
公開日:
シリーズ それって病気のサインかも!? 犬の多飲多尿編
犬の多飲多尿編
こんなこと感じたことありませんか?
以前に比べ、水をよく飲むな。
おしっこの色が薄くなったし、何度もトイレに行くようになったな。
犬が多飲多尿になる原因
何らかの原因で多尿の状態に落入った場合、通常よりも多く水分が失われてしまうので、それを補うために水分を多くとろうと多飲が引き起こされるためです。
考えられる病気
・糖尿病
・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
・子宮蓄膿症 ※避妊をしていないメスのみ
・腎臓病
・心因性多飲
多飲の判断基準
体重1kgに当たり90~100ml以上(1日量)の場合
例えば体重が7kgダックスの場合は1日で700ml以上飲む状態
水を飲む量の測り方
ペットボトルに1日分の水を準備し、そこからお皿に注いであげる
1日の終わりにどのくらい飲んだのかがわかります。
多尿の判断基準
体重1kgに当たり50ml以上(1日量)の場合
例えば体重が7kgダックスの場合は1日で350ml以上おしっこがでる状態
おしっこの量の測り方
ペットシーツごと重さを測る。
外でしかしない場合はおしっこの回数をチェックする。いつもより回数が多いのかどうか
「多飲多尿」は見逃しやすい、病気のサインです。
気温や体重の変化などに伴い飲水量は変化しますので、季節ごとに飲水量を小まめに記録するなどの管理が必要です。
はやめに飼い主が気が付いてあげて病院に連れて行ってあげてください。
多飲多尿で注意してもらいたいこと
水をの無料の制限しないこと
多く場合「たくさん尿が出るためお水を欲しがる」状態です。
多飲多尿を示す子の飲水量を制限すると、正常な子に比べ脱水症状が起きやすくなります。
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ペットの熱中症に注意
本格的な暑さを前に、熱中症の基本知識を確認「熱中症ゼロへ」みんなで予防!熱中症対策!!熱中症は7月下旬から8月にかけて最も多いといわれています。
□ 症 状
参照:日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト
□ 熱中症を引き起こす3つの要因
- 環境:気温の高さ、湿度の高さ、直射日光
- 体:高齢の犬猫、子犬や子猫、体調不良、暑さに慣れていない体
- 行動:激しい運動、長時間の散歩、水分補給が十分でない
□ 犬猫の熱中症予防 〜普段から気をつけておきたいこと〜
1. 十分な水分補給を確保する
犬猫がいつでも新鮮な水を飲めるようにしておきましょう。特に暑い時期には、複数の場所に水を置き、こまめに水の補充を行うことが大切です。「なかなか水入れに水をいれていても飲んでくれない・・・」「飲んでると思う・・・」と言われる飼い主さんもおられます。そこで水分を摂るために!!
2. 涼しい環境を提供する
夏場や室内が高温になる時期には、エアコンや扇風機を使用して、涼しい環境を作りましょう。ペットが休む場所には、直射日光が当たらないようにし、風通しを良くする工夫も必要です。
ペットの健康を守る!ハムスター・ウサギ・鳥に最適な温度と湿度とは?
3. 散歩や運動の時間帯を工夫する
日中の気温が高い時間帯(特に午前10時から午後4時)は避け、早朝や夕方の涼しい時間に散歩を行いましょう。この時期は地面から10cmくらいの高さのところでは50度になることも。飼い主さんが手でアスファルトや砂利道の温度が高くなっていないか確認し、肉球を火傷しないよう注意してあげてください。
4. 車内に放置しない
短時間であっても、車内に犬猫を放置することは非常に危険です。車内温度は急激に上昇し、数分で命に関わる状況になることがあります。移動の際は、ペットが暑さを感じないように冷房を使用しましょう。また短い時間だからと思っても車内には置いていかないで。
5. こまめに体調チェックを行う
普段から犬猫の行動や様子に気を配り、異常がないか確認しましょう。特に、息が荒い、よだれを垂らす、ぐったりしているといった症状が見られる場合は、すぐに涼しい場所へ移動させ、体を冷やしてあげてください。その後、必要に応じて動物病院へ連絡しましょう。
6. 被毛の手入れを忘れずに
冬毛が残っていると通気性が悪く、また水に塗れたりして毛が絡み合ったりすることも。そのままにしておくと蒸れて皮膚に負担がかかるだけでなく、熱がこもってしまい熱中症になることも。定期的にブラッシングを行い、通気性を良くすることで、熱がこもるのを防ぎましょう。特に長毛種のペットには注意が必要です。
7. 熱中症予防グッズの活用
ペット用の冷却マットやクールバンダナなどのグッズを活用することで、犬猫の体を効果的に冷やすことができます。特に暑い日には、これらのアイテムを上手に使って熱中症を予防しましょう。
□ 熱中症になりやすい子
ー短頭種
バグやシーズ、フレンチブルドック、ボストンテリアなど
ペルシャやエキゾチックショートヘア、ブリテッシュショートヘア、ヒマラヤンなど
ー肥満気味の子
皮下脂肪が多いほど、体内に熱がこもりやすため
ー高齢の犬や猫
筋肉が弱り自由に移動することが困難になるため
ー子犬や子猫
体温調節があまりうまくできないため
公開日: