動物の病院 くすめ

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ノミアレルギー性皮膚炎

      2024/09/29

1. ノミアレルギー性皮膚炎とは

ノミアレルギー性皮膚炎は、犬や猫がノミの唾液に対してアレルギー反応を起こし、激しいかゆみや炎症を引き起こす疾患です。また傷口から2次感染の恐れもあります。                                なんだか最近からだ掻くな・・・と思われたら早めの通院をお勧めします。

※アレルギーとは体が外からきた異物に対して防衛反応(免疫作用)が過剰に反応したものです。

  • 症状:

    • かゆみ、ひっかき傷
    • 赤みや発疹、脱毛
    • 膿が出る湿疹、皮膚の硬化
    • 尻尾の付け根、腰背部に特に症状が現れることが多い


2. ノミアレルギー性皮膚炎の治療方法

1. ノミの駆除:

  • 投薬: ノミ駆除薬(スポットオンタイプや経口薬)を使用し、ペットの体に付いているノミを速やかに駆除します。定期的に駆除薬を使用することで、ノミの再発を防ぎます。
  • 環境のノミ対策: 家や庭の清掃、特にペットの寝具やカーペットはノミが生息しやすいため、掃除機や洗濯を徹底します。必要に応じてノミ駆除用スプレーやミストを使います。

2. かゆみや炎症の緩和:

  • ステロイドや抗ヒスタミン剤: かゆみや炎症を抑えるために投与されることが多いです。
  • 抗生物質: 感染が進行した場合、抗生物質の投与が必要になることがあります。
  • 保湿クリームやシャンプー: 保湿成分の入った皮膚に優しいシャンプーやクリームで、皮膚を保護し、炎症を軽減します。

3. アレルギー治療:

  • アレルゲン除去: ノミのアレルゲンに直接触れる機会を減らすため、ペットの生活環境を整え、継続的なノミ予防が不可欠です。

3. ノミアレルギー性皮膚炎の予防方法

1. 定期的なノミ予防薬の使用:

  • ノミの駆除薬はペットに毎月または季節ごとに使用し、ノミが付着する前に予防を徹底しましょう。スポットオンタイプ、経口薬などさまざまなタイプがあるので、ペットに合ったものを使用してください。

2. ペットの環境管理:

  • ペットが過ごす場所の清潔を保つことが重要です。寝具やカーペットは定期的に洗濯し、掃除機を頻繁にかけることで、ノミの卵や幼虫を取り除くことができます。特に、春から秋にかけては、ノミの発生しやすい時期なので注意が必要です。

3. 他の動物との接触を管理:

  • 外出時や他の動物と接触する際には、ノミが付着しないよう注意しましょう。ドッグランやペットホテルを利用する際も、事前にノミ予防が施されているか確認することが大切です。

4. 日常ケアとホームケアの方法

1. 定期的なブラッシング:

  • ブラッシングを行いながら、皮膚の状態をチェックします。ノミの糞や卵が見られた場合はすぐに対処が必要です。

2. シャンプー:

  • ノミ駆除効果のあるシャンプーや、アレルギー皮膚炎に優しい低刺激のシャンプーを使用します。シャンプー後は、ペットをよく乾かし、湿気の残りによる皮膚トラブルを防ぎましょう。

3. 室内環境の清掃:

  • ペットが過ごす場所だけでなく、カーペットや家具、車のシートなども定期的に掃除し、ノミの発生を防ぎます。

5. よくある質問(Q&A)

Q1: 犬がノミに噛まれたかもしれません。すぐに病院へ行くべきですか?
A: かゆみが続いたり、皮膚に赤い発疹や脱毛が見られる場合は、動物病院へ行くことをお勧めします。早期の治療が悪化を防ぎます。

Q2: ノミ駆除薬を使っていますが、ノミアレルギー性皮膚炎の症状が出ることがあります。どうしてですか?
A: たとえ1匹のノミでもアレルギー反応が起こることがあります。駆除薬の効果が現れる前にノミが噛む場合があるため、環境管理を強化し、病院で追加の治療が必要になることもあります。

Q3: ペットが外出しないのに、なぜノミがつくのでしょうか?
A: ノミは他の動物や人間の靴や服に付着して家庭に持ち込まれることがあります。外出しないペットでも、室内でノミに感染する可能性があります。

Q4: ノミ駆除薬は何カ月ごとに使用するべきですか?
A: 一般的に、月1回の使用が推奨されていますが、季節や環境に応じて獣医師に相談し、最適な頻度を決めてください。


6. アドバイスコーナー:ノミアレルギー性皮膚炎を未然に防ぐために

1. 早めの対応が鍵:
ノミアレルギー性皮膚炎は、症状が悪化する前に早期に対処することが重要です。かゆみや皮膚の変化に気づいたら、すぐに動物病院で診断を受けましょう。

2. 予防は持続的に:
ノミ駆除は一度で終わりではなく、持続的に行う必要があります。駆除薬や清掃など、定期的なケアを怠らないことで、アレルギー反応を未然に防ぐことが可能です。

3. ペットの健康管理:
皮膚の健康は全身の健康と直結しています。定期的な健康診断や皮膚のチェックを行い、異常があれば早めに治療を始めることが大切です。


まとめ:
ノミアレルギー性皮膚炎は、犬や猫にとって非常に苦痛な疾患です。飼い主がノミの予防と早期発見に努め、適切な治療を行うことで、ペットの快適な生活を守ることができます。ペットの皮膚に異常が見られた場合やノミが確認された際は、すぐに動物病院へご相談ください。

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