動物の病院 くすめ

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犬の耳の役割と健康管理

      2024/09/26

耳の構造とはたらき

犬の耳の構造とはたらき

犬の耳は、人間の耳と似ていますが、独自の構造と機能を持っています。犬の耳は外耳、中耳、内耳の3つの部分で構成され、それぞれが異なる役割を果たします。

  • 外耳:外耳は耳介(耳の外側の部分)と外耳道(耳の穴)から構成されています。耳介は音を集めるアンテナのような役割を果たし、外耳道を通して音を中耳に送ります。犬の外耳道はL字型になってます。特に水平耳道と呼ばれる部分が人と比べ長いのが特徴で、汚れが溜まりやすい構造です。

  • 中耳:中耳には鼓膜や聴小骨があり、音の振動を内耳に伝える役割を果たします。鼓膜は外耳道の奥にあり、音波をキャッチして振動に変換します。

  • 内耳:内耳には、音を脳に伝えるための感覚器官があり、平衡感覚も管理しています。犬はこの機能により、音を正確に捉え、体のバランスを保つことができます。ここが犬にとって非常に重要で、内耳がダメージを受けると、バランスが取れなくなったり、姿勢や顔が傾くことがあります。

耳垢ってどうやってできるの?

耳垢(耳あか)は、外耳道にある皮脂腺や耳垢腺から分泌される物質と、耳に入った汚れや皮膚の細胞が混ざり合ってできるものです。耳垢には、以下の役割があります。

  • 保護:耳垢は外耳道を保護するための自然なバリアとして機能し、汚れや異物が耳に侵入するのを防ぎます。
  • 保湿:外耳道の皮膚を乾燥から守る役割も果たし、健康な状態を保つために必要な潤いを与えます。

ただし、耳垢が過剰に溜まると、炎症や感染症を引き起こす原因になることがあります。定期的な耳のチェックとケアで、健康を保つことが大切です。

 

犬の耳のケア方法

犬の耳は定期的にケアを行うことが大切です。特に、垂れ耳の犬種や外耳道が狭い犬種は、耳の中が蒸れやすく、感染症のリスクが高くなります。以下の手順で、耳のケアを行いましょう。

  1. 耳の状態をチェック
    まず、耳の中を優しくチェックします。異常な赤みや、悪臭、過剰な耳垢がないか確認します。これらの兆候があれば、動物病院に相談する必要があります。

  2. 耳掃除用の液を使う
    洗浄液を使用する場合は、たっぷりと液を耳に入れて耳の根元を軽くマッサージします。これにより、耳の中の汚れが浮き上がります。その後、ペット自身が頭を振って耳垢を外に出すのを待ちます。出てきた耳垢をガーゼで拭き取ってあげてください。耳掃除が苦手な子には、耳に息を吹きかけると頭を振って耳垢を出しやすくなりますが、その際には注意が必要です。耳垢などが顔にかかったりもします。最悪・・・口に入ることも・・・

  3. 柔らかい布やコットンで拭く
    犬や猫の耳を掃除する際は、綿棒を使わずにコットンを水で濡らし、耳の内側(指が届くところまで)を優しく拭くようにしてあげてください。人とペットの耳の構造は異なるため、綿棒を使うと耳垢を奥に押し込んでしまったり、耳を傷つける可能性があります。

 

4.耳掃除は週に1~2回が目安
耳のケアは週に1~2回程度が適切です。過剰な掃除は、耳の自然なバランスを崩すことがあるため、やりすぎには注意しましょう。

耳のケアでの注意点

  • 無理に奥まで掃除しない
    耳の奥まで無理に掃除すると、鼓膜を傷つける可能性があるため注意が必要です。表面を優しく拭くだけで十分です。

  • 耳の異常に気づいたらすぐに受診
    異臭、かゆがる、耳を頻繁に振る、赤みや炎症がある場合は、すぐに動物病院で診察を受けましょう。これらは耳の感染症や炎症のサインです。

  • 水遊び後やシャンプー後はしっかり乾かす
    水遊びやシャンプー後は、耳の中をしっかり乾かすことが重要です。湿気がこもると、細菌やカビの繁殖が進みやすくなります。

犬の耳に関するQ&A

Q1. 犬の耳掃除はどのくらいの頻度で行うべきですか?

A1. 犬の耳掃除は、通常週に1~2回が目安です。耳垢がたまりやすい犬種や、耳の中が蒸れやすい垂れ耳の犬種は、特に定期的なケアが必要です。過剰な耳掃除は、耳の自然な保護機能を損なう可能性があるため、適度な頻度で行うことが大切です。


Q2. 耳垢がたまりやすい犬種にはどんなものがありますか?

A2. 耳垢がたまりやすい犬種は、特に垂れ耳の犬や外耳道が狭い犬種が挙げられます。代表的な犬種は、コッカースパニエル、バセットハウンド、ビーグルなどです。これらの犬種は耳が蒸れやすいため、特に注意が必要です。


Q3. 犬の耳から悪臭がするのはどうしてですか?

A3. 犬の耳から悪臭がする場合、外耳炎や耳ダニ、細菌やカビの感染症が原因である可能性があります。悪臭に加えて、耳を頻繁にかゆがる、耳を振る、赤みや腫れが見られる場合は、すぐに動物病院で診察を受けることをお勧めします。


Q4. 耳掃除用の綿棒を使っても良いですか?

A4. 犬の耳掃除に綿棒を使うことはお勧めできません。綿棒は耳の奥まで入れてしまうリスクがあり、鼓膜を傷つける可能性があります。また、汚れを奥に押し込んでしまうこともあります。耳掃除には柔らかい布やコットンパッドを使用するのが安全です。


Q5. 水遊びやシャンプーの後、耳をどうやってケアすればいいですか?

A5. 水遊びやシャンプーの後は、耳の中が湿ったままにならないように、優しく乾かすことが重要です。特に垂れ耳の犬種では、耳の中が蒸れると細菌やカビが繁殖しやすくなります。柔らかい布で耳の外側を拭いたり、必要に応じて耳掃除用液を使ってケアしましょう。


Q6. 犬が頻繁に耳を掻くのは問題ですか?

A6. 犬が頻繁に耳を掻く場合、耳の中に何らかのトラブルがある可能性があります。外耳炎、耳ダニ、アレルギーなどが原因となっていることが多いです。このような場合、動物病院で診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。


 

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