猫の環境ストレス
2023/10/19
最近、身体じゅう舐めて脱毛・トイレ以外でおしっこをするなど、このような悩みで来院される飼い主さんがいらしたので、皆さん共通した要因(新しい家族ができた、もう一匹迎い入れたなど)がありましたので、お話させていただきます。
環境変化によるストレス。
ひともそうですが、環境の変化は不安も伴います。特に縄張り意識の強い猫にとっては、ひと以上に感じてしまいます。なので少しでも不安を軽減させ快適に過ごせるようになればと思います。
ストレスサインとしてあげられるものは
嘔吐
下痢
便秘
食欲不振
脱毛・皮膚炎
etc
1引っ越し
転勤などの引っ越しで、新たな場所で新生活を迎える猫もいると思います。生活環境が大きく変わる引っ越しは猫にとって自分の縄張りから出ることになり、ストレスを感じます。
ついつい新居には新しいものをと考えてしまいますが
しばらくは今まで使っていたものを使用してください。たとえばトイレ、食器、ベットなど。空間が自分のニオイに満たされているとリラックスします。
2.家族構成の変化
学校や仕事の関係で、家族の一人が家をでたり、戻ってきたり。結婚・出産によって家族が増える。いつも遊んでくれたひとがいない、知らないひとがいるというのもストレスの原因の1つです。
いままで一緒にいたのに💦と思われる方もいらっしゃると思いますが、しばらく離れて暮らしていると猫にとっては知らないひとになってしまいます。
必要以上にかまわずに猫のほうから近寄ってきたらおやつをあげるなど距離を縮めていってください。
3.来客
来客は、警戒心が強い猫にとっては知らないひとが自分のテリトリーに入ってくるため、ストレスを感じることがあります。ひとが好きな猫例外ですが。
出来るだけ会いたくないので、隠れて出てこないことが多く、トイレや水を我慢する猫もいます。そういった場合はお客さんと会わないように別の部屋に誘導してあげてください。部屋が難しい場合はキャリーケースを。猫は狭いところ、暗いところも安心できる場所です。もちろん、そこにはお水やお食事、トイレの準備も忘れないでください。
※一時期、乾燥機の中に入るのがマイブームだったナナ🐈
4.トイレについて
猫はとてもきれい好きなので、汚れていたり、トイレがしにくい形のものだと粗相が増えたり我慢したりします。
猫のトイレは猫の頭数+1個程度がいいといわれています。しかし、多頭飼いの場合現実的に難しいことも。一番はトイレを常にキレイにしておくことです。トイレをしたらすぐに片づけてください。また猫のトイレ場所は、静かで風通しが良く、猫の食事場所から離れたところにしてあげてください。
4.運動量が足りない
若い猫は自分の縄張りの確認のためたくさん移動をします。走れない、ジャンプできない環境はストレスになります。
キャットタワーなどを利用して上下に行動できる環境を整えてあげてください。
5.騒音
自宅付近で工事がはじまったり大きな音がなり続けることもストレスの原因のひとつです
ダンボールに毛布をかけてあげて避難所を用意してあげてください。
ストレスが原因で引き起こす病気
・胃腸炎(食欲不振、嘔吐、下痢)
・特発性膀胱炎
・心因性脱毛(腹部などを自分で舐めて脱毛してしまう)
・猫ヘルペスウイルス感染症(ネコカゼ)
・猫伝染性腹膜炎(FIP)
以上
ストレスによって体調を壊している場合は自然と治る場合がありますが、何日も続く場合は一度、来院をおすすめします。
猫にとって何がストレスになっているか理解してあげることは難しいことかもしれませんが少しでも皆さんの参考になればと思います。またはじめて猫を迎えることになった飼い主さんにも参考になれば幸いです