狂犬病予防注射
2024/10/04
1. 狂犬病について
- 狂犬病とは?
狂犬病は、犬だけでなく、哺乳類全般に感染するウイルス性の致死性疾患です。発症すると、治療法がなく、致死率がほぼ100%となるため、予防が最も重要です。日本では狂犬病の発生が抑えられていますが、世界では毎年多くの感染事例が報告されています。特に、犬を飼う際には、狂犬病予防注射の接種が法律で義務付けられています。
2. 狂犬病予防注射と法律について
- 狂犬病予防法
日本の「狂犬病予防法」では、すべての飼い犬に対して、年1回の狂犬病予防注射の接種が義務付けられています。犬が生後91日を過ぎたら1年以内に初回接種を行い、毎年継続して接種する必要があります。狂犬病予防法に従わない場合、飼い主には罰金が科せられることもあります。 - 狂犬病予防注射の特例制度
体調不良や高齢、妊娠中の犬など、狂犬病予防注射を受けることで健康に悪影響を与える恐れがある場合、特例として狂犬病予防注射の免除が認められることがあります。獣医師の診断に基づき、狂犬病予防注射免除証明書を発行してもらい、それを自治体に提出することで免除手続きを行います。この免除は、1年ごとに更新が必要です。
3. マイクロチップ登録について
- マイクロチップの義務化
2022年6月1日より、ペット(特に犬と猫)へのマイクロチップ装着が義務化されました。マイクロチップは、犬が迷子になった際に、迅速に飼い主の情報を確認できる重要な手段です。さらに、マイクロチップの装着は、従来の鑑札に代わるものとしての役割も担います。 - 狂犬病予防法に基づく鑑札とマイクロチップの関係
マイクロチップが装着された犬の場合、狂犬病予防法に基づく鑑札としてマイクロチップがみなされることが認められています。これにより、従来必要であった犬の鑑札の交付が不要になる場合があり、鑑札の装着義務が事実上、マイクロチップによって代替されます。これにより、飼い主の手続きが簡素化され、犬の識別がより効率的に行えるようになりました。 - 登録手続に関する負担の軽減
マイクロチップを装着した犬の場合、環境省の「動物のマイクロチップ情報登録制度」に登録することで、犬の登録手続が一部簡略化されます。従来の狂犬病予防法に基づく犬の登録申請は、地方自治体で行う必要がありましたが、マイクロチップ情報の登録が自治体による犬の登録手続に統合されることで、飼い主の申請や手続きにかかる負担が軽減されます。 - 具体的な負担軽減のポイント
- 鑑札の交付が不要:マイクロチップが鑑札としてみなされるため、鑑札を別途取得・装着する必要がなくなります。
- 登録手続の簡素化:マイクロチップの登録情報が自治体の犬の登録と連携することで、二重の登録作業が減り、手続きが効率化されます。
- 迷子犬の迅速な対応:マイクロチップの情報は、動物病院や自治体の職員が専用のリーダーで読み取ることができ、迅速に飼い主の元に戻すことが可能です
詳細はこちら「マイクロチップについて」で説明しています。
4. 狂犬病予防注射の接種時期
- 接種時期
狂犬病予防注射は、自治体による集団接種が通常春(4月~6月頃)に行われますが、動物病院では年間を通じて接種が可能です。※2月~3月については手続きの関係上、接種を行っておりません。初回接種は生後91日以降に行い、その後は毎年1回の接種が必要です。
5. 料金
登録・注射の場合 6,200円
注射のみの場合 3,200円
6. 接種前後の注意事項
接種前の注意事項
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犬の体調確認
- 狂犬病予防注射は健康な状態で行う必要があります。注射を受ける前に、犬の体調を確認してください。特に次のような場合は接種を見合わせ、獣医師に相談しましょう。
- 発熱、嘔吐、下痢、元気がないなどの症状がある場合
- 持病が悪化している場合
- 妊娠中や出産直後の犬
- 狂犬病予防注射は健康な状態で行う必要があります。注射を受ける前に、犬の体調を確認してください。特に次のような場合は接種を見合わせ、獣医師に相談しましょう。
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食事のタイミング
- 注射当日も通常の食事は問題ありませんが、接種前に過度に食べさせたり、水を大量に飲ませるのは避けましょう。特に移動が長い場合は、車酔いを防ぐためにも軽めの食事にしておくのがおすすめです。
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興奮を避ける
- 注射前に犬を過度に興奮させたり、運動をさせすぎないようにしましょう。体調を落ち着かせた状態で接種を受けることが重要です。
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接種の持ち物確認
- 必要な書類を忘れずに準備しましょう。
- 市から届いたはがき
- 必要な書類を忘れずに準備しましょう。
接種後の注意事項
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体調観察
- 狂犬病予防注射後、犬の体調に変化がないか24時間程度はよく観察してください。通常、軽い倦怠感や眠気が見られることがありますが、以下のような症状が見られた場合は、すぐに獣医師に連絡してください。
- 激しい嘔吐や下痢
- 異常に強い元気の消失や歩行困難
- 注射部位の腫れや熱感が強い
- 発熱、アレルギー反応(顔の腫れ、呼吸困難など)
- 狂犬病予防注射後、犬の体調に変化がないか24時間程度はよく観察してください。通常、軽い倦怠感や眠気が見られることがありますが、以下のような症状が見られた場合は、すぐに獣医師に連絡してください。
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激しい運動を避ける
- 接種後1〜2日は、犬に激しい運動をさせるのは避けてください。特に、ドッグランや他の犬と遊ぶ場面など、過度な活動は控えるようにしましょう。
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入浴のタイミング
- 接種当日や翌日は、犬を入浴させるのは避けた方が良いです。注射後の体調に負担をかけないためにも、体調が安定しているのを確認した後、2〜3日経ってから入浴させるのが理想です。
7. Q&A(よくある質問)
- Q:狂犬病予防注射はなぜ毎年必要ですか?
A:狂犬病は発症すると致命的で、予防接種を定期的に行うことで感染リスクを防ぎます。法律で年1回の接種が義務付けられています。 - Q:高齢犬でも狂犬病予防注射を受けるべきですか?
A:高齢犬や持病のある犬については、健康状態を獣医師が確認した上で接種を判断します。場合によっては、免除の特例が適用されることもあります。 - Q:マイクロチップはどのくらいの費用がかかりますか?
A:マイクロチップの装着費用は病院によりますが、一般的に3,000円〜5,000円程度です。また、登録に際しても手数料が発生する場合があります。 - Q:狂犬病予防注射を受けないとどうなりますか?
A:狂犬病予防注射を受けない場合、法律に違反することになり、罰金や行政措置が科される可能性があります。また、犬自身が狂犬病に感染するリスクもあります。 - Q:狂犬病予防注射の副作用はありますか?
A:稀に、接種後に軽い発熱や元気消失などの副作用が見られることがあります。重篤な副作用は非常にまれですが、異常を感じた場合はすぐに動物病院に連絡してください。